外壁について

ちょっと時間があいてしまいましたが、S邸の外壁材について説明したいと思います。
ここで使用している外壁材は、軽量気泡コンクリート(ALC版ともいいますが)です。人工的に軽石を作ったような材料です。
比重0.8なので水に浮き、厚さが50?あっても軽く、そのため地震力も抑えられます。また、気泡が入っていて厚みがあるので断熱効果も大きいです。

施工方法としては、外周の柱の外側に防湿シートを張り、その上に胴縁を打ち、ALC版を張ります。そして、ALC版のジョイントをコーキングした上で防水性のある塗料を塗布します。
防水性のない塗料だと、ALC版に水がしみこみ、ALC版内の金網が錆びてしまい、割れる原因になってしまいます。そのため、塗料は必ず防水性のあるものを使用します。

外壁は、室内のプラスターボード厚12、5?、柱105?、胴縁30?、ALC版50?になり、全部で197、5?の厚さになります。約20?の外壁の厚さになるので、断熱、防音は通常の建物よりはすぐれています。
また、軸組の外側に、断熱材をはってあるのと同じですから、外断熱工法と同じ効果があります。
なおかつ、内断熱として壁内に50?のグラスウールを入れていますので、外断熱と内断熱をしているのと同じで、二重の効果を生みます。

壁内の断熱材のことですが、壁内いっぱいに隙間なく、断熱材100?を入れると、温熱環境効果があり、次世代省エネルギー基準になりますが、私どもは壁内には、断熱材50?しか入れません。
なぜなら、壁内に通気をさせておきたいのです。一定の通気をとって、湿気、むれを失くし、柱をふくめ木材の腐り、シロアリ被害を防ぎ、家を長持ちさせたいのです。

壁 内に、100?の断熱材を隙間なく充填すると、空気の流通がなくなり、まんいちサッシ廻りなどから雨漏りした場合、壁内が乾くことがなく、何年も気づかず 放置すると、内部が腐って、シロアリ被害にあうともかぎりません。解体やリフォームの際に、何件もそういう状況に出くわしています。

昔の家は、断熱材は入っていないので、湿気や雨漏りがあっても空洞の壁内は自然に乾いて、家が長持ちしたのだと思います。
現代では、ヒーターやエアコン等を使う生活なので、外気と室内との温度差が出てしまい、断熱材を入れることは、結露をおこさないためにやむをえません。やはり外壁が、ある程度厚いほうが、内部での過ごしやすさも違います。
なお、断熱材はこれから、環境や健康のために、羊毛ウールにした方がよく、ただコスト的に高くなりますが、その方向にしていくつもりです。

外壁

外壁

外壁2

断熱材

断熱材

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