瓦は、風景にとけこんでいく
事務所の近くの新築現場で、曲線の美しい、
おとなしい気品の感じる瓦を葺いています。
いつも私は、瓦選びに、どこの家でも迷走してしまいます。
周囲の環境、屋根の形、住まい手の要望,感覚などから
そこに溶け込んで雰囲気をつくってくれ、
マッチングする色や形の合う瓦を探します。
最終的に、ずっとその場所にとどまって
周囲の風景の一部になってゆくものです。
私の瓦選びで、風景の一部になるかどうか
決まると思うと、真剣になるしかありません。
この家にふさわしいと、私が選んだ瓦は、素焼きの
ぬくもりのある、いぶしの瓦です。
一般的な平板瓦よりも、小さく、丸みもあります。
目地は、レンガ積のように、互い違いのように
見えてきます。
木片をはった、こけら葺きのように瓦の厚みも感じ
自然味にあふれています。
また、瓦の美しい曲線のシルエットが、やわらかいやさしさを
感じさせてくれる瓦です。
これがいいと、私が決めた瓦が、最終的にどんなふうに
周囲とマッチしていくのか
今から出来あがるのが、楽しみです。
そこにとどまり、そして、そこに溶け込んで
あきない美しい風景になってくれるだろうと
思います。
この現場で、構造見学会を開催する予定でいます。
日時が決まり次第、ホームページでお知らせします。
そのせつは、どうぞお越しください。