静岡県沼津の工務店 家和楽工房(株)- 植松一級建築士事務所

家を長持ちさせるために

私が、外壁のリフォームを頼まれた現場での出来事です。

 

外壁のサイディングにしみのようなものがあり、

内部が傷んでいるような様子がうかがえたので

依頼者にその旨を話し、サイディングをはがしてみたところ

写真のような状況でした。

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外壁の外も内側もべニア張りで、壁内は何十年も

空気の流通がなく、見ての通り、黒カビや腐食菌が

内部の間柱、柱をむしばんで、構造体をとかしてしまっていました。

 

壁内に通風がないと、空気がよどみ、太陽の熱に熱せられ

空気の水分がこもって菌やシロアリの温床になり、

内部を腐らせてゆきます。

 

壁内の通風があれば、湿気も少なくなり、菌は死滅し

シロアリは体が乾いて、生きられません。

 

家を、何十年何百年と持たせるためには、

壁内に空気の澱むところはつくらず、通風を最優先に

考えなければなりません。

 

気密性、断熱性、耐震性やコストなどから、今の建物は

柱の外面に構造用合板を張り、壁内は断熱材を充填して

内側の柱面は、プラスターボードを柱に直接張る構造が

多くなっています。

 

アメリカなど湿気の少ないところでは、いいのですが

高温多湿の日本には、あまり向かないのではと思います。

 

これでは、空気層を合板やボードでサンドイッチのように

はさみこんだ状態なので、壁内の通風が乏しくなって、

内部結露をおこし、構造体を腐らせてしまうリスクを

かかえてしまいます。

 

もしシロアリなどが侵入すれば、最適の生息場所になってしまいます。

 

壁内に通風があれば、たとえシロアリが侵入しても

体が乾いて、死滅してしまいます。

 

また、壁内に雨漏りがあった場合でも、雨漏りをとめ

壁内に空気が流通すれば、木部は乾いて

腐食の被害につながりません。

 

新築する場合は、内部結露をおこさないように、細心の注意を

はらって建てなければと、これを見ていると思ってしまいます。

 

私の受けたリフォーム現場の壁内を、そのままにしておくわけにはいけません。

 

腐った材を新しいものに取り換えるだけで、また同じようにサイディングを張ったら

何十年か先に、また同じことを繰り返すことになってしまいます。

 

壁内の通気ができるように、15mmくらいの幅の空気の通り道を設け、

通り道には、虫が入らいらないようにステンレスの網を張りました。

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通風口があれば、壁内は外気と内気の温度差により、空気は

流通していきます。

 

修繕した壁内は、今後は空気が流れ、健全な状態を保つので、

今までのように、腐ることはないと思います。

 

木造住宅は、空気の澱むところを極力なくさなければいけません。

木がむれて、腐ってしまいます。

 

昔の人の考えた漢字も教えてくれています。

 

木をかこむと、困るという字になります。

 

木を密閉したら、だめなんです。

 

木は呼吸して、生きています。

 

私たちと同じに、生きているんです。

 

 


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