「この家に感謝」 K邸

この新しい家に住み始めて2年半がたちました。それ以前のアパート住まいと比べての一番の大きな変化は、家族が仲良くなったことだと思います。

 もちろんそれまでもひどく仲が悪かったわけではありませんが、今は家族の「けんか」さえも楽しめるものであることを知りました。
 アパートに比べるとずっと広く、親子で、夫婦でケンカになっても逃げ道がいっぱいあり、家の中で追いかけっこができます。

 追いつかれて取っ組み合いになったとしても、せっかく建てたこの家で、そんなけんかをしていることに気づくと、そのうちに何だかバカらしくなって、笑えてきてしまい、仲直りすることになってしまいます。

 実は妻が「家を建てたい」と言い出した時、私自身はあまり乗り気ではありませんでした。
 妻に引きずられるように展示会を見て回っても、「こんな家に住みたい!」と感じることはなく、「アパートのままでもいいのになぁ」などと考えていました。

 ところが、ある日曜日の夕方に見た家で、それまでの気持が一気に変わってしまいました。それが「アートのある家」でした。

 それ以来、展示会のあるたびに植松さんの建てた家を何軒も見せていただきました。そのたびに「いいものを見たなぁ」と満たされた気持ちになりました。

 家族3人で考えて建てたこの家にも、私のお気に入りの場所がたくさんあります。
 今一番のお気に入りはトイレです。
木に囲まれ、かわいらしいタイルを眺め、塗り壁の風合いを味わっていると、朝の忙しい時間の中でもつい長居をしてしまってあわててしまうことがあります。
 また、リビングで夜中にちょっとお酒など飲みながら、のんびりとくつろいでいると、何だかとてもゆったりと落ち着いた気持で、しみじみとしたしあわせを感じます。

昨年8月にちょっと大きな地震がありました。
まだふとんの中で半分寝ているような時間でしたが、目を覚まして揺れに気づいたその時、何だか変ですが「この家どれくらい揺れるんだろう」とちょっとワクワクしている自分に気づき、驚きました。

 もちろん地震が好きなわけはないのですが、この時には、「この家にいたら大丈夫」という安心感があるのだということをあらためて確認できた気がしました。

 家を建ててからも、展示会のあるたび、時間の許す限り見せていただいています。
 どの家にもそれぞれに施主さんの思いやこだわりが感じられ、やはり「いいものを見たなぁ」と満足して帰ってきます。

 それでも、どんなすてきな家を見ても、わが家に帰ってくると「やっぱりこのうちが一番!」とあらためて感じます。
 この半年ほどの間に、「家を新築して引っ越したんだけど、こうすればよかった、ここがこんなだったら…と後悔ばっかりしてる」という話を複数の知人から聴きました。

家を建てる前には「どんなに考えたつもりでも、実際に住んだらいろいろと後悔するところがあるのかもしれない」と多少の覚悟もしていたのですが、この2年半、そんな後悔をしたことは一度もなく、ひとつのウソもなく心から満足しています。

 そんなこの家を建てていただいたことにとても感謝しています。

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