手づくり
ガイアの夜明け(BSジャパン)というTV番組で
素人の方が作った手づくりの物がネットで売れているという
生活のあいまに、自分の感情、技術、情熱を傾けて、
必死に作ってゆく。
そして、それが売れた時の喜びは、ひとしおです。
私は作り手だから、認められたそのうれしさを
ひしひしと感じます。
そこにしかないただ一つの商品だから、求めた人は
自分だけのものとして価値を感じるのだろう。
思いをかたむけて作った物は、それぞれに、
人を引きつける魅力があります。
また、手づくりの物はストーリー性があり、作った人の
人となりが伝わってきて、気に入れば、共感して
買ってゆきます。
そして、そばに置いておくことで、親しみもわいてきます。
生活の楽しさを教えてくれます。
今、社会は、多くの物が既製品であふれ、お金を出せば
何でも手に入り、とても便利な世の中です。
けれど、今少しずつ、大きな市場向けにオートメーションで作った
均一化したものの中で暮らしている事が 無機質で 味気なく
何かが違う、何かが足りないと気づいてきたのだろうと思う。
自分の求めているものが、その中で感じとれなくなって
焦点が定まらなくなっているような気がします。
そこにしかない手づくりのものに、あたたかさややさしさ
夢を感じ、そういうものに触れあって生きてゆきたいと
思いはじめてきたのだろうと思う。
自分らしさを求める時代に変わってきたのだと感じます。
均一化したものではなく、自分らしい手づくりのものが
少しずつ注目をあびる時代になってきました。
私たちが携わる住宅も おのずと同じように手作りが求められるようになります。
自分らしい家に住み 自分らしい暮らしがしたいと言う気持ちが生まれてきます。
それは素晴らしいことだと私は思います。
作り手は、それにこたえるよう、より魅力あるものを目指して、
努力してゆかなければなりません。