教会礼拝堂の耐震補強工事を始めました。
昭和25年に建てられた古い建物です。
集会の場なので、中はがらんどうで壁がなく、
耐震性はあまりありません。
最近、中国やハイチで地震のため多くの人が犠牲になりました。
耐震性のない建物だと気付かずに集まり、
何も知らない子供たちも、そこで犠牲になってしまいました。
教会の関係者の方々は、古く耐震性のない礼拝堂を
なんとかしなければいけない、命はお金にはかえられないと、
私に耐震の依頼をくださいました。
期待に応えたいと思い、いろいろと考えましたが、
風合いを保ちながら耐震性をあげるということは至難の業です。
まして、60年くらい前の建物です。
私にも自信はありませんでした。
調査をしながら、どうしたらよいか試行錯誤しているうちに、
方向性が見えてきました。
教会の方々と打ち合わせをするなかで、耐震性を高めたいという
熱意にも背をおされました。
大がかりな耐震補強計画にはなりましたが、
工事内容の設計が出来上がり、今、工事にとりかかっています。
また、基本的な工事計画が出来ていても、解体してはじめてわかる
腐朽した部分や構造の弱さを、どうしたらいいのか
考えあぐねる場合もあります。
木材を補強したり、それに合った補強金物を作ったり、
臨機応変な柔軟さが必要になります。
費用がかかっても、耐震性を優先し、対処をしていきます。
一つ一つを的確に工事していくことで、全体がまとまり、道筋が出来
基本計画どおりに耐震性が増していきます。
始まったばかりの、この工事ですが、
安心して皆様が集まれる建物になるようにと思って仕事をしています。
集会場ばかりでなく、住宅にも、
リスクをかかえた耐震性のない建物が、少なくありません。
やる気と予算がなければ出来ないことですが、
命を守るためにも少しでも早く、
まず耐震補強計画をすすめてほしいと思います。