「KAGU」メッセ 家づくりにつながる家具
今年も、静岡「KAGU」メッセに、お客様といっしょに
家具を見に行ってきました。
静岡には、江戸時代から家具づくりの伝統があります。
それぞれの製作会社が競い合って技術をたかめ
魅了する家具を作ってきました。
けれど今は、大量生産で安く仕上げて量産品を供給するのが
現在の家具の、流通の主流になってきました。
そのため、手づくり感のある家具をつくる職人さんが
数えるほどしか、いなくなってしまいました。
それでも頑張って、家具を愛する人のためにと
良質の家具をつくっています。
私たちが、その良さを知り、注文しなければ
仕事がなくなり、後継者も育たず、衰退してしまいます。
私のつくる家には、手づくり感のある家具が、よく似合いますが
そういう家具は、選ぶと家といっしょになって、暮らしをより
楽しくさせてくれます。
みなさんは、作り手の話を聞いたり、目でスタイルを鑑賞したり
手で感触を確かめたり、座ったりしながら、
家具との出会いを楽しんでくれました。
カタログや写真ではなく、出かけて直接家具にふれることで
その家具の本当の品質を知ることができます。
自分の住まいを建てた時を想定しながら、どんな家具を選んで
しつらえようか、夢がふくらみます。
いろいろなもの見て感性を養うと、視野がひろがり
バリエーションが増え、家づくりも楽しくなります。
家の良さは、本体だけでなく、カーテン、照明、家具など
それぞれの調和によって決まります。
洗面器に水をためると、周囲の水のレベルは一定の高さに
なります。
それと同じように、住まいも、しつらえるものを
同じトーンで、バランスを考えて配置すると
居心地のいい空間が生まれます。
レベルの違うものがあると、それが目立ち、落ち着きません。
好きなものだけでなく、そこにおかれる周囲との相性が
ポイントです。
家具に限らず、家を建てる機会に、いろいろなものを見て
感性を養えば、より、自分らしい家づくりができるのでは
と思います。
そのための一つとして、少しでも役立つよう、私たちは
「KAGU」メッセツアーを開いています。
ツアーのあと、感情もさめやらぬうちに、日本平に上り
昭和の時代に建てられた、昔ながらの風情のある場所で
情緒と自然をごちそうに、遅い昼の食事会をひらきました。
一緒にいたみなさんは、会話がはずんで楽しそうで
いっそう家づくりの夢を、ふくらませてくれたような
気がしました。