完成見学会 H24、9/29、30、10/7、8
今回のは、団塊の世代のご夫婦の“ついの住みか”になる
シンプルな和モダンの住宅です。
色合いも少しおさえてあります。
既存の建物は、古いこともあり、断熱性、気密性に乏しく
冬は寒く、夏は暑い家でした。
平面的に部屋がつながっていることで、明るさがありませんでした。
敷地は、北側が石積みの高い擁壁のため、水が流れてきます。
そこからの湿気もあり、虫が多く居住環境がよくありませんでした。
相談を受けた私は、気もちよく生活できる住宅を
提案したいと思いました。
南側には、2階建ての家が、敷地にせまって建っています。
北側に寄せて建てれば、明るさはとれますが、擁壁からの湿気や虫が来ます。
南側に建てれば、2階建ての家に太陽をさえぎられ、暗い家に
なってしまいます。
明るく、湿気や虫が来ないようにするにはどうしたらいいのかと
考えてみました。
ご夫婦だけの建物なので、広いスペースはいりません。
既存建物は北側部分を残してこわし、南側にスペースをあけ
湿気や虫が来ないように北側の擁壁から、なるべく離し、
南寄りに建物を建てる計画をしました。
新築の建物は、2階を北側に寄せ、2階がのらない1階の屋根の
3ヶ所の天窓と、2階からの吹抜で、LDKと寝室に明るさを
確保しました。
2階を北側に寄せることで、2階の部屋は南側の建物の日陰にならず
明るくなりました。
どうぞ、結果は、見学会で実際に見てください。
そして、いつもながら「本物でつくる木の家」ということで
工業製品、既製のものは極力避けて建てました。
柱は、ひのきを使いましたが、目に見える建具、造作材は
杉を使いました。
杉は豪華ではありませんが、見た目が、やわらかで
やさしい感じがします。
杉をメインにして家づくりをしました。
居間、食堂の天井はトップライトを設け、トップライトからの光が
少しでも明るくなるように梁をつけず、105角の杉のタル木構造の
見える屋根にしました。
その屋根は二重にしてあり、サンドイッチにして断熱材を
入れてあります。
屋根なりの勾配天井は、杉の野地板が見えて、自然にいやされます。
明るさと一緒に、木のぬくもりが、こぼれてくるようです。
壁は、昔ながらのしっくいを塗りました。
白いしっくいは、杉の木とよく合います。
また、居間の通路からキッチンごしに、ベネチアンガラスを
スリット状にはめこみました。
時間により、ガラスを通過した光や影が風景を変化させ
一日中楽しませてくれます。
ハンドメイドのあたたかさも伝わってきます。
ダイニングの天井ぎわの三角窓は、空の様子がわかり
外と一体になり、明るさ、広さをあたえてくれます。
夜には、外から見れば、室内の天井の木のあたたかさ、
家庭のぬくもりを伝えてくれます。
床は、床暖房用の信州のから松を、張りました。
節がありますが、素材感があり、足触りがとてもいいです。
ダイニングテーブルは、伊勢神宮の木です。
私が材木屋さんに行った時、ちょうど出会い、思いのほか安く
購入できました。
木の目がつんでいて、たぶん樹齢200年以上はたっているものだと
思います。
こんなに木目がつんでいる杉の木は、あまりありません。
美しい木目…必見です。
キッチンの壁、トイレの化粧帯のタイルは、家の雰囲気に合わせ、
美濃のやきものを使いました。
しっとりと落ち着いた感じです。
私はいつも、住む人を和ませ、いやしてくれると信じ
木や本物を使います。
木の香りと、手づくりのぬくもりに包まれて暮らすことで
日々の暮らしは、より楽しくなると信じます。
どうぞ、木のやさしさ、あたたかさ、やわらかさ、ほっとする空間を
ぜひ味わいに来てください。
見学会日時:平成24年9月29日(土)・30日(日)・10月7日(日)・8日(月)
場所:沼津市平沼