住まいの感覚

淡いやわらかな、やさしい暖色系のイメージの家が
私の建てた家には多いです。

同じものを作っているつもりがなくても、
形にしても 色にしても、
自分がいいなと思っているものを多く使ってしまうからなのでしょうか。

でも私はそれでいいのだと思う。

"ああしたい、こうしたい"と思う感性を
素直に出してゆくことが建築には大切なものだと感じます。

そこから個性が生まれます。

感覚は育った環境の中ではぐくまれ、
人それぞれ違った感覚を持って生きているのだと思う。

美しいものを見て同じ感銘を受ける人もいれば、
何も感じない人もいるはずです。

感じ方は人それぞれです。

けれど住宅を建てる場合には、
住まい手と作り手が、近い感覚を持ち合わせていた方が
スムーズにまとまっていくのではと感じます。

建築主と作り手がコミュニケーションをとることで、
お互いの感覚が見えてきます。

どんなに建築主に具体的なイメージがあり、構想があったとしても、
作り手が同じ感覚を持っていなければ、それを形にすることはできません。

好きな絵を描いてほしくても、
その感覚を持ち合わせていなければ、絵が描けません。

話を重ねながら、本当に任せられるのか、
自分の感覚を建築主はかってくれているのか、
お互いに求めているものが出来るのか
形のないものを想像して造るのですから
確信が持てるまでコミュニケーションをとることが大事だと思います。

私はパレットをひとつしか持っていません。

自分のパレットの中で感覚から作り出す配色を、
住まい手が気に入ってくれてはじめて
家づくりがスタートします。

  

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