静岡県沼津の工務店 家和楽工房(株)- 植松一級建築士事務所

居間にステンドグラスを

今、建築中の 東伊豆の 住宅で。

家が出来上がった時 、日常生活を楽しむには、 何らかの 工夫が必要だと思う。 家は 黙って待っていて は 味わいのある家にはならない。 建築主なり 設計者が 、自ら 愛情をもって 、家に叡智を注ぎ込まなければ 、住む人が 、気に入るオリジナリティな 家は 産まれない。

自分なりのイメージを 、家に 膨らませ、 作り込めば、 できてからの 長い大切な時間を 、楽しませてくれる。

作る時 、気配りと 気遣いが 家を良くして いきます。

居間のパース

これから、階段室の吹き抜けと 、居間の境に入れる 手製のステンドグラスは 、そんなひとつの、家に対する 愛情の形です。

西日が当たる 階段室から、 光がさして、 手製の ステンドグラス越しに、暖かな淡い光の束が、居間いっぱいに広がる。 じゃまにならない やさしい光が、やわらかな空間を演出してくれる。 ソファーに座りながら 、 時の移ろいに 変わって行く 光の色調を 楽しむ。 そんな光景が 目に浮かんできます。

居間にはいる手作りのステンドグラス

ステンドグラスが暮らしにとけ込む

陽光が射しこむと、ステンドグラスの美しさが、よくわかります。

 

居間の壁や階段の手すり、ポーチ柱など、その家に合った場所を

見つけて、はめこんでいます。

残りがあと一枚になったので、川合さんに、何枚か作ってもらいました。

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しっくいの壁とステンドグラスは、お互いを引き立て合ってくれます。

 

20㎝角くらいの小さなものですが、家のどこかに、はめこまれていたら

日ざしや照明のあかりを、ステンドグラス越しに、見る時があります。

日ざしや照明のあかりが、いつもとちょっと違って見えて、しばらく

見入ってしまいそうです。

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日常の暮らしに、ふっとそんな時間があれば、きっと楽しいと思います。

 

手づくりのステンドグラスが身近にあれば、ガラスからこぼれる光が、

子供の心にきっと残ってくれるだろうと思います。

そして、私たちの、子供たちへの心からの贈り物になります。

アートページ:2013年03月07日(木)

タイルっていいな

O邸では、1階外壁廻りを素焼きタイルで貼りました。
素焼きでできた茶碗と同じような素材です。
釉薬をかけたタイルと違い、色が焼き方によって
まちまちになり、それがまた、自然で風合いを
かもし出してくれます。
タイル職人が、糸を水平に張って、それにそって
1枚1枚手馴れた太い指で、張ってゆきます。
そして、ある程度張ったあと、遠くから見ると、
焼き物ですからひとつひとつ表情があり、
手作りの味が伝わってきます。
「やっぱり、本物はいいね。」と言ってタイル屋さんと
顔を見合わせます。

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メンテナンスの面では、もう一生塗装しなおすこともないので、
あとで費用もかけなくてすみます。

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最近は、タイル職人さんが仕事が少なくて苦慮しています。
最近の住宅は、タイル工事の部分がめっきり少なくなりました。
玄関ポーチくらいしか、タイルを張る場所がなくなりました。
台所の壁はキッチンパネル、お風呂はユニットバスで、
昔のようにタイルは張りません。

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トイレの床もCFシートで、壁もクロスが多くなりました。
それはそれでいいのですが、現代の住宅は、
タイルが消えてさみしい限りです。

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私は、タイルの感じが大好きですから、
迷うことなく仕上げにタイルを選びます。
耐久性、風合いが群を抜いていて、気に入っています。

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タイルの種類、使い方によって、個性がでてきますし、
またそれを住まい手と一緒に考え、発想していくのが面白いのです。
たとえば、いろんな色のタイルをまだらに使って、それを楽しむこともできます。

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モザイクタイルの華やかさ、かわいらしさ、静寂さ、
選ぶものによって、その空間の雰囲気が変わります。

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O邸では、これからトイレの床、壁、台所の床、壁、
玄関の土間、ポーチにタイルを使っていきます。
どんな家になるのか、私も楽しんでいます。
タイルは、私にとって、設計表現の必需品です。

瓦の役割って何なのでしょうか?
雨露がしのげて、夏の暑さを和らげてくれるもの…というだけでしょうか

昔は、ねずみ色の和瓦が主流でしたが、最近は洋風の家が増え、
瓦の形も色も種種様々な製品ができ、それだけに、
瓦によっては家の印象が著しく変わってきます。
単色だけでなくグラデーションのある瓦や、
素焼きや窯変瓦などいろいろなものがあり、
瓦を選ぶことは、家の様相を決める大きな要素になりました。

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いつも、建築主がどんなイメージで家をとらえているのか推し量りながら、
外壁の色、サッシの色、タイルなどを考慮して、
瓦の形、色合いを決めて建築主に推薦し、
実物を見てもらって決まることが私の場合、多いです。

最近、私は瓦選びに悩んでいます。
私が好んで採用していた瓦が、生産中止になってしまったからです。
その淡い感じのやさしい色の瓦が、とても好きでした。
私の手がけた建物には、その瓦が多く使ってあります。

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今の建築材料の流れとして、品質の良し悪しよりも、
安さのほうで選ばれていきます。
瓦も安価な量産品が主流になり、
作っても売れない割の合わない良い物を作らなくなってきています。
私が使っていた瓦は、その一つでした。

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瓦だけでなく、建材関係のものは、品質がよくても
コスト高のものはどんどん切り捨てられ、
画一的量産品が増え、種類の巾は狭くなってきています。
さみしいかぎりですが、
これだという使えるものが、少なくなってきています。
だからといって、いくら風合いがあっても日本風土に合っているかわからない
外国の製品を使うことは、リスクもあるし輸入がストップしたら
メンテナンスにも困るし…。

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でも、フランス、イタリアの製品は、いいあじをもっていますね。
使いたくなります。

今、私はいろいろな瓦製造所のサンプルを取り寄せて、
私の建物に合う瓦を見つける作業をしています。
どうなるか わかりませんが、
妥協をしないで「これだ」と思えるものを選んで、
建築主に提供していきたいと思います。
写真は、サンプルのラインアップです。

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配色

今、建てているA邸の色合いが、何ともいえない表情をうかべるようになってきました。
淡い暖色系の外壁の色と、帯状に貼ったタイル、素焼き瓦の色の対比が、何ともいえずいい感じに表現されていて、うれしくなってきます。

外壁工事のために、養生されて見えない柱に埋め込んだステンドグラスが、アクセサリーとしてちょっとしたポイントになるのが楽しみです。
いつも私は、縫い針に糸を通すように神経をとぎすませて、色を決めます。
冒険したくなる色、差しさわりない色、インスピレーションで浮かんだ色、これだと思う色、使ってみたくなる色、思いとどまりながら、ここにフィットする色は何か、他のものとの配色も考え、気の済むまで時間をかけ、あきらめないで、目の前にある色見本と建物をかぶせながら、何回もいきつくところまで考えます。
そうしていくうちに、何かが見えてくるんです。
そこに、自然と納まってくれる色が見つかるのです。
でも、色を決めるのはなかなか怖いことです。
自分はいいと思っても、建築主の意向に合っているか心配になります。
でも私は今は、そういう心配をすみにおき、自分の感性を信じて色を決めていきます。
色は、計算して誰もが一つの同じ答えがでるのと違い、人によって千差万別です。
だから、おもしろいのかもしれません。
自分の感性が、色によって反映するのが建築の魅力でもあります。
いつまでもその建物が、住む人や周囲の皆さんにかわいがられるような、そんな色選びをしていきたいと思っています。
決めた色は、もちろん建築主に確認のうえ、施工しています。

アートページ 家和楽工房の想い:2009年05月01日(金)
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