上棟を終えて、気持ち新たに

9月16日、今年4棟目の棟上をしました。

私なりに上棟時には、それぞれに格別の思いを感じます。
建築主と上棟までこぎつけるまでの道のりが走馬灯のように
浮かんできます。

小さな、ネームバリューもない私ども家和楽工房に任せるには、
それなりの勇気が必要だったと思います。

施主様とは、3年前に見学会に来ていただき、それからの
お付き合いです。

折につけ、ダイレクトメールを送り、見学会やイベントに
お越しいただきました。
その中で、私どもの家づくりを見ていただきました。
淡い色合いや、本物を使う家づくり、作りこんでいく
手づくり感などが、施主の感性に合っていたのだと思います。

見学会で出会って2年くらい家づくりの具体的なものはなく、
家づくりの思いを聞いたり、語ったりしていました。
半年位前から、土地探しから始めました。
目ぼしい土地を探しながら、その都度その土地にプランを入れ、
検討をかさねました。

 

東日本大震災のあとでしたので、津波、地盤のことも
気になりました。

土地を決めるまでには、簡単にいかず、決断力と忍耐は
並み大抵のことではないと思います。
運よく、南道路の静かな環境の、良い土地が見つかりました。

設計段階でも、試行錯誤しながら、より良い居住空間をめざし、
コミュニケーションを重ねました。
いろいろな考え方を、つぶしたり復活させたり、また新たに考えたり、
紆余曲折しながら到達点にたどり着けました。

 

そんな建築主との、出会いからこれまでの物語や思いと職人の情熱や心意気が凝縮され、
上棟時の完成したスケルトンの骨組みにつまっているように、
私には思えます。

たぶん建築主も同様に、私と同じ思いで上棟を向かえたと思います。
森に行き 見てきた木で家の骨組ができる喜びを
ご家族で共有されたのではと思います。
子供心にもきっと忘れられない思い出になります。

 

一区切り、上棟をすませた夜は、少し責任をはたせたのではとほっとします。

あしたから、また建築主との家づくりの物語が続きます。

木組みをとおして見る青空が、とてもきれいでした。

 

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