古民家再生 ( 1 )

伊豆の国市の山間の集落に農家の住宅として建てられた古民家の再生を施っています。 

84年前に建てられた古民家の外観
からの外観

先祖が残された古民家を残すか残さないかはどこの古民家でもいつも議論になります。何十年も何百年も風雨にさらされ長く生活してきた家なので老朽化で家の痛みもあります。       また、現代の生活様式からはかけ離れた間取りなので、使いやすさに欠けます。断熱性気密性は乏しく冷暖房の効き目もわるいです。給排水管.電気配線の劣化あり 住宅設備機器の機能性も乏しく不便さを感じます。 耐震性も明確に安全だとは言えません。  けれども、それを差し引いても修理して残しておきたいという魅力があります。経年変化がもたらす木のぬくもりはあたたかなやさしさがあります。 木組みの美しさ 育ってきた住まいへの郷愁と愛着、居心地の良さなど壊してしまったらもう元に戻りません。住まい手にとっては貴重な心の財産です。 できるなら残したいというのが本音ではないでしょうか。                                                                                                                                                                                                  

老朽化で痛みのある杉下見板張り
上部写真箇所を修繕の模様
上部写真修繕の模様
外壁の剝き出しになった土壁と竹小舞
燻された骨組みの木材

ご依頼者から、生ま育った先祖が残したおもむきのある佇まいの家を壊したくないとだいうことで古民家の再生のご依頼を受けました。  ご依頼建物は外部は下見板や戸箱、敷居、床束など経年劣化で木材の一部が腐りかけていました。                           漆喰も剝がれ落ち一部竹小舞がむき出し状態でした。                                      内部は、かつてあった囲炉裏に燻されて木材が黒光りして、味のあるいい色に変色していました。畳、床材などはきしみ、床鳴りなどがありました。 内部の漆喰、土壁は汚れが酷く剥がれ落ちているところもありました。                                                    障子、襖などの紙もいたみ建具自体の開け閉めに不自由にするところが多々ありました。 一部北側に突き出した下屋の部分は台所、風呂で土間コンクリートなので段差があり行き来に不自由していました。                                                         また、建物の北側に河川があり、山からの浅い地下水が流れ、長年少しずつ石土砂を運び、建物北側ラインが10cmほど不同沈下して建物が傾いていました。  

深さ1mの穴を掘り鉄杭を建物の荷重で圧入する

前者の傷んだ箇所は全て元に近い形で風合いを損なわず修理しなければなりません。                              けれど、一番難題なのは建物の北側ラインの不同沈下をくい止め、そして建物を水平に保つ事です。ご依頼者もそのことを一番気にされ、これだけはどうしても直したいと強く要望されました。     私どもはこれが優先順位一番と考え、ここから作業を始めることにしました。                                                                        現状の状況を踏まえ、、最終的にアンダーピーリングという地業を選択しました。                           はじめにどの深さに建物を支える地層があるかを調べるため地盤調査を行いました。                                結果深さ5m付近に硬い支持層があるのを確認しました。石場建て工法のため布基礎はありません。 建物周りには土台下敷石(カズラ石)と内部は床束.柱を支える束石(ひとつ石)が建物の荷重を支えています。                                                             下がっている北側ラインを鉄骨でつなぎ、上げたい使用箇所の周りを作業しやすくするため1mぐらい土を掘ります。                                                    深さ5m支持地盤まで鉄杭を到達させなければなりません。深さ1mの作業範囲の中で1mの鉄杭を油圧を据ながら既存建物の荷重と錘で鉄杭を圧入打込みしてゆきます。                                          その1mまで下がった鉄杭に、新たな鉄杭を溶接してつなぎます。それを繰り返し5mの支持地盤まで杭を到達させます。                                    それぞれ、主要箇所でその作業を行ない北側ラインを10cmあげ水平に戻しました。                         狭いところで建物の変形.沈下の見極めをしなければならないのでの大変な作業です。                        固い地盤まで杭が到達したことで沈下の恐れもなくなりました。                                 ジャッキー部分を外すため、荷重を支持する木材を設置した後、 掘削した穴などしっかり埋戻し作業を終了しました。                                   10cmあげたことにより束石と床束との間に建物隙間ができたため新規の檜の床束に変えました。                      建物が水平になると見た目もすっきりしてきます。                                       今まで動きにくかった建具も動きやすくなりました。                                        第一段階の要望に答えることができ、ひとまず安心しました。                                                           これからは内装.外装の修理にはいります。 

      

                          

アンダーピーリング事業の様子

                                

圧入した鉄杭の上にジャッキーをかう
10cm 上げことによる束石と床束の隙間

長くなりましたので今回はここでブログを終了します。                                      続きは、また、後日書かせてください。       

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