リノベーションにはデティールが大切

家和楽工房では今新築とともにリフォームの仕事を請けて施工をしています。 新築と違い一からイメージして建築主に合った家を作りあげてゆくのではなく、既存のある家に現代の生活様式を取り入れ住みやすい家に再生してゆかなければなりません。既存建物であるため、かたち、骨組み、広さ、は思うようになりません。いろんな面である程度の制限がかかってきますが、その中で最良の住宅を提供して行こうと思います。

わたしがよりよいリフォームだと思うのは、前に建てた大工さんの思いや良い所を生かしそこを原点として,バリヤフリーや耐震性、光熱費のコストダウン、断熱材設置による省エネルギー性能、建築主の生活様式に合った住宅機器の選択、設置、雰囲気をかもし出す仕上げ、そして化学物質にさらされない健康な居住空間作り出すことが私のリフォームの役目だと思っています。基本は前の家です。最初のときの構造がしっかりしていれば人が最良に手をくわえてゆけば、家はその都度、成長してゆき住む人を楽しませてくれます。

環境、使用材料、構造、メンテナンスなどによって家の寿命はそれぞれ異なります。基礎、構造木材が著しく朽ちて、損傷して補強しても今の耐震基準にならない場合、内装や新しい住宅機器にリフォームしても家が地震で傾く可能性があるとすれば、私はお金をかけても無駄だと考えます。建物が倒れないのが一番の優先順位だと思います。この場合は予算も大変すが、安全のために、建て替えを進めます。この家は20年経っても基礎、土台、はしら、はり、など構造材もしっかりしていて直しがいのある家だと判断しました。構造がしっかりしていれば必要箇所に筋交いや耐震金物を入れ今の耐震基準を充たすことができます。また、基礎もひび割れがなく強固ならばある程度補強で不動沈下も起こしにくくなります。解体費用も削減され、基礎、構造が残り骨組みの費用はかかりませので、最終的には大幅な予算削減にもつながります。新築するより、大半変えても3分2以下にはなると思います。

そして、また、重要なことが細部の納まりです。新築は新たに、作り出すものなので自由がききます。改築は以前残っている納まりを基準に新たな納まりを考えなければなりません。その建物に合わせたきめこまやかな配慮が必要になってきます。それをおろそか にして納めようとすると、必ずあとで、支障がでてきます。そこであらかじめ、現場を把握して検討して、現寸図、詳細図を描いて納まりを確認して初めて施工うつります。リフォーム現場はキット化した既製品ではまとめることができません。

リフォームは、大工さんの腕にかかっています。大工さんの技術はたいしたものです。ノコギリ、カンナ、ノミを使い手作業で私が描いた詳細図でくるいなく現場をまとめてゆきます。大工さん、職人さんの作業がとどこおることがないように私はデティールを描いて仕事がスムーズに進むよう心がけます。ひとつ、ひとつの積み重ねた気づかいと、細やかな納まりが集大成となり、すっきりとした自然味のある住み心地の良い住宅が完成するのだと思います。また、職人さんひとり、ひとりのチームワークから良い家が生まれます。

そして、住むひとに喜んでもらえば最高です。

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