小田原邸園めぐり
小田原の建築と庭を見学する勉強会に行ってきました。
小田原には、戦前戦後の名士が、別荘としてつくった
古きよき数寄屋建築が、多く残っているそうです。
その中の、数ヶ所を建築家の方々と一緒に、主催者の方の
説明を聞きながら見て回りました。
昔の家というのは、全てが、自然の産物から一つ一つ手づくりで
作ってあるので、その家を作り上げた職人さんの想いが伝わってきます。
そこに住んだ人のぬくもりも、感じられます。
なつかしさとか郷愁を感じ、心地よい空間に身をおいていると、
今の建築では、感じることは出来ないなぁとつくづく思いました。
古くなって、また一段と存在感と風合いを増していく建築がそこにあります。
小田原市が管理している建物も数多くあるようですが、
適切に維持管理していくのは、大変でご苦労も多いようです。
古い建物を、的確に修理保全してくれる職人さんが、
少なくなっているのも苦労の原因になるでしょう。
今の建築は、昔ながらの木造建築が少なくなり、
木のことを良くわかっている職人さんを必要としなくなっています。
それは、悪循環になっています。
本格的な木造建築の場が少なくなり、
木造木組みの納まりのできる職人さんが少なくなり、
育成する場がないので次世代の若い職人さんが少なくなり……
どんどんどんどん少なくなるばかりです。
今回、見学してきた建物を管理保全していくためには、
修理に対応していける職人さんが必要です。
古きよき建物を訪ね、なつかしい建物だなぁ、落ち着く家だなぁと
感じる心地よい瞬間を、ずっと伝えていくために、
何が出来るだろう、
何かできることはあるだろうかと
考えさせられる勉強会でした。